すでに長い年月を経ているが、中東の混乱した戦闘状態は、すでに混沌とした状態となっているのは明らかで、それはISに対するテロ戦争の様相ばかりではなく、米国やイスラエル、ロシアの思惑もからんで終息の気配は一向に見えず、いやむしろ、このまま戦闘が拡大して大戦争の雰囲気さえ感じられるようだ。
 現在、米国はクルド人部隊に大量の物資や武器を供給しているが、これはロシアがシリア政府軍を支援していることへの対応ばかりではなく、ISへのテロ戦争にかこつけた米国の思惑が深く関係している。
 そもそも米国は、中東の石油利権にからむ利権を獲得するという目的が、このシリアへの介入には存在し、それは現在ロシアが欧州に供給している天然ガスなどの地下資源をシリア経由でサウジアラビアや米国の友好国から欧州に供給したいとの考えがあるからだ。

 このシリアの戦闘は、テロ対策としてのみ観ていると問題の全体像が見えてこないのは確かで、その当のISがすでにシリアの地を離れようとしているのである。
 まさに自体は、混沌としている。